Oryzias*Life

【オリジアスライフ】東京発。週末はアウトドアで思いっきり遊んで、美味いもんを食す。その備忘録。

キングシイラとの出会い Vol.4

 
2013年8月15日 @沼津釣り/三日目(最終日)
 
前日、前々日と2日連続で3時起きだったので、今日はゆっくり起きようと思った。
あまりにも眠たくなって、午後の東名高速の運転で居眠りしてしまっても困る。
 
5時半頃、起床し、ゆっくり釣り場へ向かう。
義弟は、友人T君と一足先にU浦港へ向かっているそうだ。
 
僕は最終日ということもあって、場所を変えようと思った。
K野港の南側にある磯場で釣ることにした。
先行者は1人。定員4名程度の小さな磯場だ。
 
防波堤の場合、他の釣り人が巻いた寄せ餌で魚が回ってくることが多いが、釣り人がほとんどいない釣り場では、寄せ餌をつかってカゴ釣りをしないとあまり釣果が見込めない。だが、僕はあえて寄せ餌を使わないで、昨日同様、刺し餌のみ(しかも昨日の余りもの)で釣りすることにした。
単に節約である(笑)
 
寄せ餌があっても、なくても釣れる時は釣れるし、釣れない時は釣れないと、割り切ってしまっている。
 
釣り始めるが30分くらい全くアタリすらなかった。U浦港なら10分もやっていれば、何かしらあたるのになと思いながら、置き竿にしながら、別の仕掛けを作ることにした。せっかくの磯なので、何が釣れるかわからない。ぶっ込み釣りの仕掛けのちょい投げで新たな魚を狙おう。
 
海を背にして、ぶっこみの仕掛けを作っていると、突然、釣り竿が竿ごと海に引きづられ、間一発のところで竿をつかんだ(笑)
 
本当に危なかった・・・。
 
新しい場所での、最初の獲物はいつだって胸が高鳴るものだ。
一体、何が釣れてるのか?って。
 
引きもそれなりにある。
 
寄せてみると、やっぱり。。。
過去2日間で50匹以上は釣ったソーダ君でした。
 
せっかくなので、お持ち帰りしようと、お腹を割いてみることに。
すると、出てくる出てくる、イワシ系の魚が。
10匹ほど、胃袋に入っていた。
 
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※グロイ写真でごめんなさい。
 
この胃袋に入っていたイワシ君を餌に、ぶっこみ釣り開始。
 
すると、いきないアタリが。茶色に白い斑点の魚。大きさは25cmほど。
隣で釣りしていたおじちゃんに聞くと、「ハタ」とのこと。
「美味いぞ」と言われたので、持ち帰ることに。
さらに、同じ仕掛けで、もう1匹のハタが釣れた。
(帰宅後に調べたのですが、このハタは「ホウセキハタ」という名の高級魚で、薄造りは絶品でした)
 
色気を出して、あわよくばを狙ったが、そう簡単にはヒラメとかマダイとか、釣れませんね(笑)
 
本題に戻って、本命の竿に集中。やっぱり、キングシイラを釣るまでは帰れない。
 
その後も何度かソーダを釣ってはリリースの繰り返し。
 
ウキが元気よく沈みこみ、またソーダかと思ってゆっくりリールを巻いていると、
突然「ガツン」という今までにない重量感。
 
この直前に隣のおっちゃんが1mくらいのシイラでラインブレイクしていたので、恐らくシイラだろう。
群れが回ってきているようだ。
 
と思ったら、急に竿が軽くなった。1分にも満たない攻防だった。
 
糸を回収すると、仕掛け一式がなくなっていた。
「ガーン・・・」
朝買ったばかりのカゴ、天秤ごとなくなっていた。
買ったばかりの1,000円ちょいの仕掛けの紛失は、結構来るものがある(笑)
 
しかも、切れた場所はウキ止めより上の道糸。つまりウキ止め以下、すべて海の中へ。
海を汚して、ごめんなさい。
魚さん、ごめんなさい。
 
シイラだと、ラインブレイク後、ウキが浮いて、掛かった仕掛けを外そうとジャンプするケースが多い。
けど、この時はウキが浮かんでくることなく、魚もジャンプすることなかったので、もしかしたら他の魚だったかもしれない。
 
ヒラメ?イナダ?もしくはサメ?
 
正体は今となってはわからないが、隣のおじちゃんは、その細糸仕掛けじゃ、切られるよ、と。
4号じゃだめだよ、6号とか8号くらいないと。
 
「そんなん言われても、そんな太い糸巻いたリールもってないし・・」
 
 
しばらくやるが、40分くらいあたりがなく、潮の流れも早くなったので、場所を変えることに。
 
 
 
 
結局、U浦港へ。これで三日連続だ(笑)
 
いつもは満員の堤防も、9時半過ぎに空き始めていた。
 
早速、釣り開始。
 
2投目。いつものソーダ君のアタリが来て、竿を大きく合わせる。
ゆっくり引いてくると、いきなりガツン!
「来たーーー」
 
こんなことなら、最初からこっちでやっておけばよかったと思った(笑)
 
海上でのド派手なジャンプを見せる、ビッグシイラ。
と思ったら、くわえていたソーダを口から放したらしい。
ボロボロになったソーダガツオを回収。
 
よし、今度こそはと沖へ投げる。
3分後、ソーダのあたりが来て、まずソーダをかけて、しばらく放置プレイ。
すぐに、竿がギュイーンとなる。
 
重たい。
ドラグの音が堤防に鳴り響く。
恒例のシイラジャンプ!
そして・・・
ラインブレイク。
6号のハリスが切られた。上針のエダス部分のコブで糸切れしていた。
糸が弱っていたのかもしれない。
 
もう10時を回っている。残り時間がわずかだ。
しかも、ビッグシイラの活性も高そうだ。
 
渾身の気持ちを込めて、仕掛けを作った。
 
ハリスフロロ6号に、ワラサ針の2本針。
 
時間は、10時半。
ついに、運命の瞬間がやってきました。
 
仕掛けを投入後、3分くらいで、ウキが消し込み、しばらく放置。
やっぱり来ました。
ギュイーンってやつ。
竿が「つ」の字型になっている。
 
絶対に釣るという強い気持ちで挑む。
 
こっちは仕掛けもすべて作り直したばかりだし、絶対にいける。
あとは、きちんとシイラに針掛かりさせられるかどうかだ。
 
シイラが右に左に200mくらい猛進し、何度もジャンプを繰り返し、暴れ狂う。
僕の攻防に周りの釣り人も配慮して、仕掛け投入をやめ、見守ってくれている。
 
5分くらい経った頃だろう。
 
突然、軽くなった。
シイラに針掛かりしていなかったか、ハリス切れか。
 
左前方の沖60mくらいのところに僕の仕掛けはあった。
ウキは道糸についているようだ。
 
仕掛けを巻くと、海面にソーダが横たわりながら、引かれてやってくる。
周りに大きなシイラが2、3匹、ソーダを取り囲むのが見えた。
海面から盛り上がるシイラの背びれもかなり大きい。
 
まだチャンスはある。
足下なら警戒されて難しいが、沖合ならまだいける。
 
そう思って、仕掛けを早く巻くと、再び、シイラが食いついてきた。
ガツン!
 
遠目だけど、シイラに針掛かりしたように見えた。
大きく2、3度、竿をシャクり、針が外れないように、シイラに掛けた。
突然、沖合150mくらいまで猛進。リールがは逆回転し、ドラグが鳴りっぱなし。糸もかなり出て行った。
リールに巻いている糸は200mだから少しヒヤヒヤだが、スピードが遅くなった所で、ドラグを少し締め、リールのハンドルをひたすら巻き続ける。
 
真夏の太陽が容赦なく照らし、僕の腕からは汗が吹き出していた。
 
これがラストチャンスだ。絶対にモノにする・・・。
 
竿尻を太ももあたりにあて、左手で必死に竿を立てる。そして、右手でひらすらリールを巻く、巻く。
堤防の20m先まで巻いたところで、またヤツの猛進がはじまった。
イノシシを連想させるような猛進だ。そして、ジャンプ。
太陽の下で、黄金色の体が光った。
 
キングの風格をしたシイラ。
 
そう簡単には釣らせないと、攻防は続いた。
 
ヤツが走ったときは抵抗すると糸が切れそうなので、そのまま抵抗せずにドラグをゆるめ、糸を出してやって、動きが止まったら、ひたすら糸をまく。
 
20分くらいして、ようやく疲れを見せてきて、ひたすら巻き続ける。
 
ようやく堤防の足下に寄せてきた。
近くにいた見物人の釣り人のおじさんにタモ入れをお願いをした。
 
ただ、魚が大きすぎて、なかなか入らない。
タモの深さは60cmくらいあるのだが、頭側を入れても、下半身の重みでするすると落ちて行ってしまう。
 
そのうち掛かっていた上針のハリスがプチンと切れた。
残っている下針のハリスが切れたら終わりだ。
 
せっかくここまで寄せたのに、釣れなかったとか悔しすぎる。
 
おじさんに竿を持ってもらい、僕がタモ入れをすることに。
あきらかにタモが小さいようだ。隣で釣りしていた20代カップルの男の子に、「自分大きなタモを持っているので持ってきましょうか?5分くらい耐えれますか?」と言われるのだが、僕は「ありがとう、5分耐えれるかわからないから、とりあえずこれで頑張るよ」と。
 
男の子はそれでも走って駐車場に。(なんて素敵男子なんだ。。。)
 
少しして、ようやくタモにうまく入り、タモを上げるも、重たくて、タモが折れそう。
慎重に、上げて、ようやく堤防の上へ。
 
堤防の上で、黄金色の巨体がバタンバタンと舞った。
ちょーでかい。
 
周りから拍手。
「こんな細い糸でよく上げたなー」
「すごい、すごい」
「すごい綺麗〜」
 
いつの間にか、自分のまわりには人だかりができていて、ちょっとしたヒーロー気分。
 
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周りの人に記念撮影してもらって、「撮っていいですか」と写真を撮られて(笑)
「魚を持たせてもらっていいですか」と、若者たちにせがまれ、魚を持たせる。
 
落ち着いてから、50mほど先で釣りしていた義弟らに、魚を見せにいくと、びっくりした表情。
昨日の仕掛けで釣ったんですか?と。
 
タモ入れを手伝ってもらったおじちゃんには本当にお世話になり、サイズを計ってくれた。
 
 
シイラのサイズ:108cm 重さ:9キロ
 
こんなに大きな魚を釣ったのは人生初だ。
とても嬉しい。
 
このまま持ち帰って、妻の家族、娘にも見せたいがさすがにクーラーには入らない(笑)
 
借りたナイフで、頭と尾っぽを切って、ハラワタを取って、弓状にしてクーラーへ。
こんな時のために、僕は大きめのクーラーを持っていたので、それがやっと報われた(笑)
 
 
こんな素晴らしい体験をさせてくれた、豊かな海、沼津の人々に感謝です。
 
本当に久しぶりに味わうこの充実感。
自分で工夫した仕掛けに、釣り方だっただけに、喜びのひとしおのものがあった。
 
これだから、釣りは止められません(笑)
 
帰途の、海沿いドライブは最高の気分でした。
 
P.S
東京の自宅でこの大きなシイラをさばくのは一苦労でした。
もちろん1人で食べきれるわけなく、半分は千葉の実家へ。
母は「しばらくは魚買わなくていいわね」なんて言ってました(笑)
 

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