Oryzias*Life

【オリジアスライフ】東京発。週末はアウトドアで思いっきり遊んで、美味いもんを食す。その備忘録。

「塩分は控えめに」の嘘 Vol.3

Vol.2からどうぞ

 

なぜ自然塩のすべてが良いものではないのか?
 
それは、「自然塩」の定義が曖昧であることがひとつの問題としてあります。
 
簡単に言うと、自然塩は、添加物を加えず、海水をそのまま蒸発させて作った塩です。
自然塩の多くは、きれいな海水を使用しています。
その海水からどうやって塩を作るか、ここに様々な製造方法があります。
 
一番てっとり早く製造する方法は、海水を人工的に加熱し、水分をとばして、塩を作る方法です。
 
これらの塩はもちろん、今まで述べてきた化学的に精製された塩よりは、自然のままのミネラル分を含むという面では良いものです。
 
ただし、その言葉を裏返すと精製されていない分、人体にとって影響がある、水銀、ダイオキシンなど有害物質も含まれていることにもなります。
海水には、もともとそういった有害物質も溶け込んでいるからです。
 
さらに残念なことに、人工的に海水を蒸発させた場合、太陽・風で蒸発させるよりも、本来含まれるべきミネラル分が多くないという事実もあります。
 
そして、ミネラルが少ないだけなら、まだいいのですが、もうひとつ忘れてはならない成分があります。
 
「にがり」です。漢字で書くと「苦汁」と書かれる通り、苦味があり、海水に多く含まれています。
 
この「にがり」は豆腐などで使われるのですが、主な特徴としてはたんぱく質を凝固させる作用があります。
そして、同時にこれが問題となることがあります。
 
同じ蛋白質でできた腎臓や肝臓も骨髄もにがりの蛋白質凝固作用により、少しづつ固くなってしまいます。
今のところ、一度固くなってしまったものは、どんな方法でも元に戻すことは出来ないと言われています。
この結果、肝硬変といった病気で亡くなっていく方も多いそうです。
 
江戸時代などは腎硬化症で亡くなる人が最も多かったそうです。
当時の塩はもちろん自然海塩で、海水を煮詰めて作ったにがり分が16~17%の塩。
現在、そういう自然塩こそが健康につながるということで、人気あるそうですが、この事実を知るとちょっと恐いですよね。
また、日本人に多い冷え性の原因は、この「にがり」だと主張している研究者もいるそうです。
 
もちろん、にがり自体が悪いものとは言いませんが、大切なのは適度に取ることです。
すべてにおいて言えますが、「バランス」が重要で、過剰摂取は避けたいものです。
 
 
では、一体どのような塩が、理想の塩なのでしょうか?
 
簡単に言うと、自然のままのミネラル分を豊富に含む製法「天日干し」で作り、
かつ「有害物質」、「にがり」がそぎ落とされた塩ということになります。
 
昔ながらの方法によって作られる天日干しは、太陽、風、時期とあらゆる条件が重なったときにはじめて作ることが出来るのです。
野菜のように収穫できる時期がきまっており、それは「旬」といえるかもしれません。
手間をかけた分だけ、出来上がった塩も素晴らしいものになります。
まだ、そのメカニズムは解明されていないのですが、ミネラルが豊富に含まれた塩の結晶が出来上がるのです。
 
そしてそうやって出来た自然天日塩を高温焼成することによって、有害物質、にがりをある程度、そぎ落とした塩が出来上がるのです。
このように作られたものが最上の塩とされ、中国の王宮など世界の最高レベルの人達の中で重宝されていたものです。
古来より、一部の人々の中でもこの方法が脈々と伝承されてきたそうです。
 
普段、僕が使っているのは、『キパワーソルト』『海の精』といった塩たちです。
 
他の塩と比べたら高価ですが、サプリメントよりは断然安いし、病院に行くよりは安いはずです。
 
僕の考えでは、すべて高価な塩を使う必要はないと思っています。
シーンよって上手く使い分けるのがいいかなと思います。
 
そして、醤油、味噌といった加工品も、いい自然塩を使ったものに切り替えていくのがいいですね。
 
 
 
参考図書 『ニンジンから宇宙へ』 赤峰勝人著
     『こころとからだに響く食の知恵「自然食生活術」』 有岡眞著
 
 
※この記事は旧ブログの内容を一部変更したものです
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