Oryzias*Life

【オリジアスライフ】東京発。週末はアウトドアで思いっきり遊んで、美味いもんを食す。その備忘録。

晩夏の瀬戸内海、砂浜独占キャンプ、そして海ホタル。(前編)

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いま思い返してみても「あの夜」の出来事は夢だったんじゃないかって思う。
 
そう、そのぐらい特別な夜だった。
 
 
 
 
毎年、恒例の瀬戸内 'LA' キャンプ。
 
島キャンプは、いつものことながら、どこの島にしようか、悩む。
 
いろいろな空想を巡らせ、その悩んでいる時間から楽しいのだが、
たくさんの候補の中から最終的にひとつの島が決定すると、
ワクワク度がさらに加速し、島への淡い想いは募るばかり。
 
そう、それはまるで、片思い中の中学生のよう。
 
そんな島旅計画を支えてくれる影の功労者「シマダス」、「グーグルマップ」には
最大級の賛辞を送りたいものである。
 
旅と一緒で、あまりにも調べすぎて、情報や写真を知り過ぎると「感動」が薄れてしまうので、極力写真は見ない。
 
ただ、磯場、崖ばかりで海辺キャンプできない島だと困るので、そこだけは念入りに地図とにらめっこが続く。
 
今回の島の選択基準はこんな感じで選んでいった。
 
①島の西側で、瀬戸内の夕陽を望める砂浜でキャンプ
②船着き場からの野営地へのアクセス 徒歩2キロ圏内
③船の便数がそこそこありながらも、観光メインの島ではない。 
 
その中でリストにあがったのがこちら。
 
B. 真鍋島(笠岡諸島
C. 大多府島(日生諸島)
D. 生野島(上大崎諸島)
 
あと、無人島なら「釜島」、「大黒神島」、「局島」。
 
で、一緒に行くメンバーと相談したところ決まったのが「北木島
この航空写真からわかる通り、島の南西側に海岸がある。
 

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シマダスによると、山道ではあるが、なんとかその海岸へアクセスもできそうだし、
3つの条件を満たした島だった。
下浦海水浴場のさらに北部に位置する、名もなき海岸を目指すことにした。
(※画像では高山鼻の南側にある海岸付近)
 
九月の3連休直前の金曜の22時半頃、渋谷出発。
今回のメンバーは男3人だ。
運転を交代しつつ、ゆっくりペースで向かい、
翌土曜日の9時前に、最寄りの笠岡港(岡山県)に到着。
 
関東に台風が来るという予報のせいか、渋滞は全くなかった。
 
 
笠岡港近くのスーパーで食料などを調達し、10時発のフェリーに乗って、いざ出航。
島のキャンプは、基本的に船を使うので、旅情緒がぐっと出てくる。
 

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余談だが、もしこれが車に乗って、橋で渡れる島なら、こうはいかない。
一度、乗り物を変え、流れをリセットすることで、気分が大きく変わるのだ。 
 
 
船の上の甲板にはガチャガチャや、スロットが並んでいて、なんだかとても不思議な雰囲気(笑)
手書きの釣り情報も書いてある。

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ほとんどが、アオリイカの釣果で、1人あたり0ハイ〜38パイと、かなり釣果に差があるようだ。
 
僕らは、「今夜はイカ刺しパーティーだな」とか、「イカめしってどうやって作るんだっけ」と釣る気まんまんだ。
(この後、予想外の展開になるなんて夢にも思わなかったが)
 
同乗客は、全体で15人ほどで、釣り客か島民関係者といった感じ。
僕らのような大きなザックを背負った人間は誰もいない。
 
船の甲板で、瀬戸内の景色の眺めている時に、ふいに声をかけられた。
 
振り返ると、船会社の料金徴収スタッフで、渡航料500円を払ったところで、
「何しに来たの?」から会話がはじまり、驚きの事実を知ることとなった。
 
北木島には、便利なレンタサイクルがあって、一日100円という破格の値段で借りられる。
今回はそれを利用して島をぐるっと回ったり、野営地まで行くことを想定していた。
 
だが、それらは全て、イカ釣りの人たちがすでに乗ってしまって、もう無いだろうとのこと。徒歩だと、2つ山を超えないといけないから大変だぞ、と。
 
自分らは登山もするし、2時間程度の山越えなら大丈夫ですと伝えるが、
「いや、知ってるやつらに聞いてやるから待っとけ」というようなニュアンスの言葉で、僕ら3人のために、2人の船員(茶髪の兄ちゃん)が島の友人の何人かに軽トラの後ろに乗せていってもらえないか、わざわざ電話で各所に聞いてもらった。
 
結局は誰もトラック出せる人がいなかったわけだが、そんなことより、島に着く前から、こういう人の心配り、優しさに触れられて、あぁいい島に来たなとしみじみ実感。
 
自転車があれば、楽に島を周遊できるが、なければ仕方ない、歩くのみだ。
歩きながら、ゆっくり島を楽しもう。
 
船のスタッフに別れを告げ、北木島の経由地、金風呂港で島に降り立った。
 
 
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